春は、新生活の季節です。
入園・入学・進級、または、就職・異動・転居など、「新しい生活」 が始まり、「新しい人間関係」がつくられる人も多いでしょう。
環境の変化は、時に良い刺激となり、新たな気持ちで意欲が増すこともありますが、一方で、慣れない環境に心が疲弊してしまうこともあります。
また、朝晩はまだ肌寒く、気温差の大きいこの時期は、身体が対応しきれずに 自律神経のバランスが崩れ、体調不良を起こしやすい時期でもあります。
これらの心身への負担は、気分の落ち込み、不安感、イライラ、体のだるさ、 めまい、腹痛、食欲不振、不眠、 など、様々な症状として現れることがあります。すぐに明らかな症状が出なくても、本人の自覚がないままに心身への負担が蓄積し、5月の連休あたりに表面化することも少なくありません。
そのため、環境の変わるこの時期は、症状のあるなしに関わらず、意識的にリラックスできる時間をつくると良いでしょう。
特に睡眠は大切です。いつもより睡眠時間を長くとる、好みの香りや照明など、質の良い睡眠をとれるよう工夫する、時間の余裕がある時に睡眠不足を補う、などが理想です。
また、必要以上に新しい活動やルールを増やさない、ゆったり過ごせる余暇の時間を確保する、ゆったり湯船に浸かるなど、緊張をほぐすための自分なりの 気分転換法をいくつか持っておく、などの工夫も良いかと思います。
お子さんに心身の疲れが見られる時は、いつも以上にスキンシップをとったり、できるだけお子さんの話に耳を傾けてあげてください。時には、思いっきり遊ばせたり、一緒に何かを楽しむのもよいと思います。
「いつもと違うな」という様子が長びく時、何かご心配なことがある時には、受診した時に、院長先生に声をかけてみてください。
【石川医院通信 2023年3月・4月号より】