気象の変化によって持病が悪化するものを「気象病」と呼ぶことがありますがこのうち、痛みや気分障害に関するものを「天気痛」といいます。天気痛の症状や出るタイミングは人それぞれで、頭や首・肩などが痛くなる、気持ちが落ち込む、めまいがするなどの、体や心の不調以外にも古傷の痛み、関節リウマチや喘息、更年期障害が悪化するなどがあります。
天気の崩れとともに体調が崩れてしまう理由は、気圧の変動にあります。気圧の変動を感じるセンサーが、耳の奥にある内耳と考えられています。内耳が急激な気圧の 低下または上昇を感じると、交感神経と副交感神経からなる自律神経がバランスを失います。交感神経が活発になりすぎると痛みの神経を刺激して、頭痛がしたり古傷が痛んだりします。一方、副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みを感じます。天気痛が起こりやすい人は、内耳が敏感で、気圧の変化を感じやすいといえます。
天気痛を防ぐために効果的な方法として、医師による薬物治療のほかに、耳のマッサージが知られています。耳周りの血流が悪いと内耳のリンパ液が滞り、めまいや頭痛を引き起こします。天気痛の症状が出そうなときはもちろん、日頃から行うことで天気痛の症状が起こりにくくなるといわれています。
朝・昼・晩に1回ずつ、まずは2週間〜1ヶ月続けてみましょう
そして規則正しい生活を心がけ、自律神経を整えましょう。
*参考文献
佐藤 純著「ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣」
日医ニュース 第1444号
【石川医院通信 2022年1月・2月号より】