総務省の「通信利用動向調査」(2019年5月発表)で、世帯におけるスマートフォン(スマホ)の保有割合が約8割になりました。身近になったスマホは、便利で役立つ反面、使い方次第では害となることもあります。
厚生労働省研究班の調査(2018年8月発表)では、病的なインターネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、全国で93万人に上るとのことです。スマートフォンなどを使ったオンラインゲームや SNSの普及が影響を与えています。世界保健機構(WHO)は、日常生活に支障をきたすほどゲームに没頭する「ゲーム障害」を、新たな依存症として正式に認定しました。「依存症」とは、やめたくてもやめられない状態に陥ることで、また学童でもスマホ依存症になる危険性があります。
依存症になると、常時スマホから多くの情報が入ってくる事で、「脳過労」の状態になり、物忘れやうっかりミスが多くなります。更に、不眠・肩こり・めまいなど体調不良をきたしたり、情緒が不安定になって生活に支障が出ることもあります。
育児の中で、幼い子どもにスマホを渡して使わせる「スマホ育児」
電車の中で泣き止まない時など、周囲に迷惑にならないようにと使うケースが多いとは思いますが、日本小児科医会では「スマホに育児をさせないで!」という冊子の中で、子どもをメディア漬けにさせないための5つの提言をしています。
子どもだけでなく、大人もスマホ依存症にならないために、時間を制限するなどのルールを決めて、上手にスマホを使いましょう。また、スマホやパソコン操作で親指を酷使する事によって起きる手首の腱鞘炎『スマートフォンサム』を予防するために、スマホは親指を使わずに人差し指を使うようにしましょう。
*参考資料 月刊保団連 No.1304「ぼんやり脳のススメ」
【石川医院通信 2020年1月・2月号より】