今回はたばこのお話です。たばこの煙には、発がん物質・発がん促進物質、一酸化炭素、その他多種類の有害物質が含まれています。
喫煙により循環器系、呼吸器系などに対する急性の影響がみられるほか、肺がんをはじめとする種々のがん、虚血性心疾患、慢性気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、その他の疾患のリスクが増大します。
低ニコチン・低タールたばこの喫煙により健康被害はある程度軽減されますが、肺がん、虚血性心疾患などのリスクは非喫煙者に比べると依然高率です。
喫煙により引き起こされる、妊娠・出産への影響は、生殖能低下、妊娠合併症、胎児死亡、死産、低出生体重、先天異常などがあげられます。
また、受動喫煙についても、出生体重低下や乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因となるだけでなく、その後小児期においても、受動喫煙で、肺炎などの呼吸器疾患(特に母親の喫煙で影響大)、中耳炎、咳などの呼吸器症状(喘息など)、肺機能の抑制の原因となります。(米国公衆衛生総監報告)
さらに近年、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など子どもの発達と受動喫煙との関連を示す報告も出てきています。
喫煙者の多くは禁煙を希望していますが、心理的薬理的依存性のために、禁煙に成功していません。効果的な禁煙方法とは、禁煙の動機づけをし、その実行に踏み切らせ、禁煙を維持するものですが、単一の方法ですべて有効なものはなく、いくつかの方法と要因の組み合わせが禁煙の成功をもたらすと考えられています。
当院でも完全予約制による禁煙外来を行っています。飲み薬を用いた禁煙方法で、医療保険が使えます。自分自身や周囲の人の健康に大きな影響を与えるたばこ、4月から消費税も上がったことですし、禁煙にトライしてみてはいかがでしょうか。
血圧治療中の喫煙者の方へ
診察直前の喫煙は、血圧を上昇させます。診察1時間前は喫煙をお控え下さい。
2014.3.31厚生労働省の発表では、子供の誤飲はたばこが34年連続最多となっています。吸い殻の処理にも注意して下さい。
引用 厚生労働省の最新たばこ情報
【石川医院通信 2014年5月・6月号より】